表皮・毛包系腫瘍
ボーエン病(Bowen病)
ご高齢の方に発症します。境界の比較的明らかな、円形や楕円形の面を形成します。直径数cm程度で色は紅褐色から黒褐色です。かさぶたができたり、皮膚表面がはがれおちたりします。ときに隆起が生じます。
治療について
第一選択は切除です。ほか、抗悪性腫瘍薬外用、凍結療法があります。
ケラトアカントーマ
中年以降の男性に好発し、ほぼ顔面に生じます。若者では色素性乾皮症を背景に多発する例が多いです。
小さな丘疹から直径1〜2cm程度の半球状結節へと急激に増大します。皮膚色から暗紅色で境界は明瞭、中心は噴火口状で大きな角栓を伴います。
治療について
可能であれば全摘出の治療を行います。自然消退を待つ場合もあります。放射線照射、ステロイドやレチノイドの外用や内服、凍結療法なども行います。
基底細胞癌
初期には湿疹・皮膚炎や乾癬に似た皮疹が生じ、これが数年~10年以上続きます(紅斑期)。皮疹は浸潤を伴って扁平に隆起し(局面期)、数年後には腫瘤となり、リンパ節転移や他臓器への浸潤もきたします。
治療について
局面期までの病変には光線療法で進行を抑制し、ステロイド外用やインターフェロンg投与も行います。進行例には電子線照射や化学療法を用います。最近では新しい治療法の報告もあります。
日光角化症
性別の差はなく、40歳以上の方に好発します。80%以上が顔面、特に正中部に生じます。中央は潰瘍化することもあり、周囲には灰黒色の小結節がふちどるように配列されます。転移はまれで、生命予後は良好です。
治療について
切除が基本です。顔面にできるケースが多いため、局所皮弁や植皮を伴うことがよくあります。


